ある中年ベンチャー経営者の苦闘、古民家の再利用と地域おこし
あるベンチャー経営者の苦闘
ある中年の会社員がいた。
建築設計事務所に勤務していた。
若い頃から、古民家の再利用と地域おこしに強い関心を抱いていた。
40歳になってから、従来温めていた志を実現するため、退社し起業した。
大阪近郊のある過疎に苦しむ村と連携し、コミュニティペンションを造った。
古民家を改造したペンションに泊まってもらい、地域のイベントにも参加する。
歴史的な建築物も見学してもらう。地域の各種農産物を味わう。・・・などなど。
彼は必死になって働いた。しかし・・・週末はそれなりのお客さんがきて賑わったが、平日は閑古鳥が鳴く状態が続いた。
結局、古民家の改造費の返済・従業員の給与などに苦しむこととなり、消費者金融に頼らざるを得なくなっている。
日本には自然に恵まれ歴史もある素晴らしい村や町が多数存在する。
国も「地方創生」を唱える。・・・ただし、地域おこしとビジネスをうまく繋げるのは難しい。
某新聞によれば日本は「課題先進国」とのこと。
「少子高齢化」「デフレ」など、将来他の国々が潜在的に抱えている「課題」が現実化している国という意味のようだ。
「ピンチはチャンス」というが、チャンスを成功に結び付けるのは本当に難しい、と思う。